ここ数日医務室で休んで、魔力も全快…とは程遠いものの。
身体はだいぶ楽になったし、ベリクリーデに何度も言ったように、もう大丈夫だ。
それでも俺が医務室に閉じ込められているのは、「一週間は休んでください」という、魔導部隊隊長のシュニィ様の命令だ。
さすがに逆らえないから、仕方なく医務室で大人しくしている。
ベリクリーデが毎日やって来るもんだから、退屈はしない。
「…なぁ、ベリクリーデ」
「ん〜?」
「お前、断絶空間で何してたんだ?」
過ぎたことは過ぎたこと。思い出しても仕方ない…の、かもしれないが。
それでもやっぱり、気になるものは気になるからな。
「…だんぜくかん?」
「断絶空間な。時空の狭間の、掃き溜めみたいなもんだよ」
「私、そんなところに閉じ込められてたの?」
無自覚だったのかよ。
まぁ、ベリクリーデはそうだろうな。
「不自由しなかったか?」
「不自由…ではないけど、記憶がなくなってて大変だった」
…そりゃ災難だったな。
恐らく、無理矢理無秩序な断絶空間に飛ばされた影響で、記憶に障害が生じたのだろう。
「そうか…。不安だったろ?」
「毎日同じ夢を見て…昔の夢だけど…。思い出したくても思い出せなくて、ずっともやもやしてた」
そうだろうな。
記憶をなくせば、誰でもそうなる。
「ジュリスのことも思い出せなかったんだよ、私…。馬鹿だね」
「それは仕方ないだろ。断絶空間に送られた反動で…」
「私の馬鹿」
「おい。ティッシュの箱で自分を殴るな」
ぽかっ、と間抜けな音がした。
自分を殴っても仕方ないだろ。
「別に、お前に責任がある訳じゃない」
「でも私、絶対忘れちゃいけないことを忘れてたから」
「だから、それはお前の責任じゃない。背負う必要のない責任を背負うな。辛くなるだけだぞ」
自分に関係のない責任は、他人に押し付けるなり、知らん顔しているくらいで丁度良いのだ。
人生の処世術だな。
「じゃあ、誰の責任?」
「それはお前…。お前のドッペルゲンガーだろ」
「…どっぺる?」
「前に説明しただろ?偽物の、そっくりさんのことだよ。見なかったのか?」
「見たよ。私に似てる人だった」
だろうな。
自分と同じ顔をした偽物を見て、一体どんな気持ちだったことか。
気持ち悪かっただろうな。
他人の俺でさえ気持ち悪いんだから、自分のドッペルゲンガーと鉢合わせた暁には、気持ち悪くて瞬殺してしまいそうだな。
身体はだいぶ楽になったし、ベリクリーデに何度も言ったように、もう大丈夫だ。
それでも俺が医務室に閉じ込められているのは、「一週間は休んでください」という、魔導部隊隊長のシュニィ様の命令だ。
さすがに逆らえないから、仕方なく医務室で大人しくしている。
ベリクリーデが毎日やって来るもんだから、退屈はしない。
「…なぁ、ベリクリーデ」
「ん〜?」
「お前、断絶空間で何してたんだ?」
過ぎたことは過ぎたこと。思い出しても仕方ない…の、かもしれないが。
それでもやっぱり、気になるものは気になるからな。
「…だんぜくかん?」
「断絶空間な。時空の狭間の、掃き溜めみたいなもんだよ」
「私、そんなところに閉じ込められてたの?」
無自覚だったのかよ。
まぁ、ベリクリーデはそうだろうな。
「不自由しなかったか?」
「不自由…ではないけど、記憶がなくなってて大変だった」
…そりゃ災難だったな。
恐らく、無理矢理無秩序な断絶空間に飛ばされた影響で、記憶に障害が生じたのだろう。
「そうか…。不安だったろ?」
「毎日同じ夢を見て…昔の夢だけど…。思い出したくても思い出せなくて、ずっともやもやしてた」
そうだろうな。
記憶をなくせば、誰でもそうなる。
「ジュリスのことも思い出せなかったんだよ、私…。馬鹿だね」
「それは仕方ないだろ。断絶空間に送られた反動で…」
「私の馬鹿」
「おい。ティッシュの箱で自分を殴るな」
ぽかっ、と間抜けな音がした。
自分を殴っても仕方ないだろ。
「別に、お前に責任がある訳じゃない」
「でも私、絶対忘れちゃいけないことを忘れてたから」
「だから、それはお前の責任じゃない。背負う必要のない責任を背負うな。辛くなるだけだぞ」
自分に関係のない責任は、他人に押し付けるなり、知らん顔しているくらいで丁度良いのだ。
人生の処世術だな。
「じゃあ、誰の責任?」
「それはお前…。お前のドッペルゲンガーだろ」
「…どっぺる?」
「前に説明しただろ?偽物の、そっくりさんのことだよ。見なかったのか?」
「見たよ。私に似てる人だった」
だろうな。
自分と同じ顔をした偽物を見て、一体どんな気持ちだったことか。
気持ち悪かっただろうな。
他人の俺でさえ気持ち悪いんだから、自分のドッペルゲンガーと鉢合わせた暁には、気持ち悪くて瞬殺してしまいそうだな。


