神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

…ぽてん、と。

もとの世界に帰ってきて、床に放り出された私は。

きょろきょろと周囲を見渡して、そして。

「…ジュリス」

…ようやく、見つけた。

「…ベリ、クリーデ…」

ジュリスは私の姿を見つけ、そして…。

…どさりと、その場に崩れ落ちた。

私は慌てて駆け寄って、ジュリスの傍らにしゃがみ込んだ。

ジュリスは酷い、ボロボロの姿になっていた。

私を見つける為に、私を助ける為に…そうなってくれたのだ。

「ジュリス…」

私が傍に寄ると、ジュリスは微笑んで、私の頭にぽん、と手を置いた。

「…な?見つけるって言ったろ?」

…うん。

私の偽物…ジュリスは一瞬で見抜いて。

そして、本物の私を助けに来てくれたんだね。

有言実行、って奴だ。

すると。

ジュリスはガクンと膝をつき、床に手をついて、呼吸を荒くしていた。

「ジュリス…。大丈夫?」

「はぁ…はぁ…」

…ジュリス、辛そう。

凄く辛そう。

何で?どうして…ジュリスが死にそうになってるの?

ジュリスがこんなに辛そうなのは…ジュリスが両手に握り締めてる、その禍々しい剣のせい?

それとも…私のせい?

「ジュリス…しっかりして…」

折角、また会えたのに。

やっと戻ってこられたのに。

話したいことがたくさんあるのに。

…どうして。

私が…ジュリスを…殺、

 

…そう、思ったとき。

「…!!」



私の内側から、膨大な魔力が湧き上がった。








思えば、そのときだった。

私の中に、別の何かが…明確に目を覚ましたのは。