神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

…だけど。

仲間のもとに届いたって、それだけじゃ意味がない。

…お前のもとに届かなきゃ、意味がないのだ。

「…頼む…!」

首筋から溢れ出る血飛沫。

限界まで振り絞った魔力。

さすがの俺も、そろそろ限界だった。

これ以上の長期戦は、俺の身体が耐えられない。

断絶空間を破壊する前に、俺が死ぬ。

…そうなる、前に。

俺の身体が力尽きる前に届いてくれ。

「応えてくれ…ベリクリーデ…!」

…俺は、もう良い。もう充分生きた。最悪ここで死んでも構わない。

だけど、お前は違うだろ。

お前は生きないといけないだろ。

神の器だからじゃなくて。ただ、ベリクリーデ・イシュテアとして。

お前は生きなきゃいけない人間だ。

だから、助けさせてくれ。

俺に、お前を失わせないでくれ…!

「ベリクリーデっ…!!」




…断絶空間の、その閉ざされた扉の向こうから。

魔剣の禍々しい魔力と対を為す、聖なる魔力の光が漏れた。