神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

その禍々しい魔力の余波は、イーニシュフェルト魔導学院にまで届いていた。

「…!?シルナ…!何なんだ、この闇の魔力は…!?」

「あれは…『魔剣ティルフィング』…!何でジュリス君が…」

シルナ・エインリーと、羽久・グラスフィアに。



「…気色の悪い魔力ですね」

イレース・クローリアに。



「何、これ…。胸が苦しい…!」

天音・オルティス・グランディエに。



「…『八千歳』。感じる?」

「うん…凄い魔力だね。吐きそう」

花雲すぐりと、黒月令月に。



「えげつない魔力…。不死身じゃなかったら、逃げ出してましたね」

ルーチェス・ナジュ・アンブローシアに。



更に、聖魔騎士団の魔導師達にも。

「アトラスさん、これ…ジュリスさんが…!すぐに行かないと…!」

「シュニィ…!駄目だ、お前まで巻き込まれる…!」

「ですが…!」

アトラスと、シュニィの、ルシェリート夫妻に。



「なんという、禍々しい力…。これは一体…何の魔力なのですか…?」

クュルナに。



「…感じるか、月読(つくよみ)…。凄まじい力だ」

「うん…。私達にも負けてないね」

無闇・キノファと、その相棒、『死火』の写し見である月読に。



「…っ…!ベルフェゴール…!あれは一体…。助けに行かないと…!」

「俺様も行きたいところだが…下手すると、お前まで呑まれるぞ、吐月(とげつ)…!」

「…くそっ…!」

吐月・サーキュラスと、その契約召喚魔であるベルフェゴールに。



「胸が…締め付けられるっ…。何なんだ、この禍々しい魔力は…」

エリュティア・アトリーに。



そして。





「…何者だ…。この力を使うのは…」



…遠く離れた場所にいる、イーニシュフェルトの里の生き残り…ヴァルシーナ・クルスに。

更に。





「…魔剣…か」



同じく、遠く離れた場所にいる、賢者の石の守り人、寿木珠蓮(ことほぎ しゅれん)に。



全ての優れた魔導師のもとに、届いていた。

『魔剣ティルフィング』の、禍々しい闇の魔力が。