神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

「ぐっ…!」

禍々しい魔力が、周囲を巻き込んで広がっていった。

…予想以上に、強固な入り口だ。

キュレムとルイーシュが亀裂を入れてくれたのに、まだ外部の侵入を拒もうとしている。

これはあれだな。二人が亀裂を入れてくれてなかったら、刃も立たなかっただろうな。

これほどまでに…!

魔剣を持つ手に、更に強く力を込める。

「…げほっ…」

俺は、血の塊を吐き出した。

…魔力の消費が激し過ぎる。

このままだと、断絶空間が開く前に、俺が先に、死…。

「…っ…!ジュリス…!」

キュレムがこちらに来ようとして、しかしその前に、キュレムはその場に崩れ落ちた。

キュレム自身、先程の一撃で、既に限界近くまで魔力を消費しているのだ。

ガクンと膝をついたキュレムを、咄嗟にルイーシュが支えた。

「これ以上は無理です。死にますよ…!」

「ちっ…。くそっ…見てるだけなのかよ…!」

俺は、キュレムとルイーシュを気遣う余裕もなかった。

早く勝負を決めなければ、俺が持たない。

…頼む、届いてくれ。

応えてくれ。

「…ベリクリーデ…!」

更に強く、刀身に力を込める。

赤黒い闇の魔力が、周囲を巻き込んで広がった。