眠りにつくと、ちゃんと同じ夢を見た。
灰色のモヤがかかった景色。
だけど確かに、何処かで見覚えがあった。
私は、きっとここに居たんだ。
いつのことなのか分からないけど。思い出せなくても。
この夢の中こそ、私の真実なのだ。
「…ねぇ、何で隠すの?」
灰色のモヤに向かって、私は話しかけた。
モヤに話しかけるなんて、私もなかなかヤバい人だ。
だけど、そうせずにはいられなかった。
「隠さないで。ちゃんと見せてよ…。これは私のもの。私の記憶でしょ?」
自分の記憶なのに、何で誰かに隠されなきゃいけないの。
おかしいよ、そんなの。
「…ねぇ、教えてよ」
知ってるんでしょ。私の記憶。
「あの人は誰?」
私を呼んだ声。
私の名前。
「あの人は私にとって、どういう人なの?」
きっと、凄く大事な人なんだよね。
ここにいる偽りの家族より、ずっと大切な人なんだよね。
「あの人は、私を探そうとしてくれてるの?」
今も諦めずに、私を探してくれてるの?
「…あの人は、何処にいるの?」
何処に行ったら、私はあの人に会えるの?
会いたいよ。…会わせてよ。夢の中で良いから。
私が何者なのか、教えてよ。
胸の奥から湧き上がってくる、この強い衝動は何なの?
抑えきれなくなるんだよ。
空っぽの自分に、耐えられなくなるの。
「ねぇ、教えて…。君は今、何処にいるの…?」
私は灰色のモヤに向かって、手を伸ばした。
この手が届けば…灰色の景色の向こうにある、私の本当の記憶に手が届けば。
私はきっと、大切なことを思い出せる…。
…はず、だったのに。
…ガチャッ、と扉の開く音がして、私は夢の中から現実に引き戻された。
…あぁ、やっぱり駄目だった。
夢の中でさえ…私は真実を見ることが出来ないのだ。
そして目が覚めた今も、ずっと偽りの世界の中…。
あと少しだったのに…。私を起こしたのは、一体誰?
「…ベリーシュ…」
「…シファちゃん」
この世界で私を起こすのは、やっぱりシファちゃんなんだね。
毎回毎回、最悪のタイミングで起こしてくれるよ。
灰色のモヤがかかった景色。
だけど確かに、何処かで見覚えがあった。
私は、きっとここに居たんだ。
いつのことなのか分からないけど。思い出せなくても。
この夢の中こそ、私の真実なのだ。
「…ねぇ、何で隠すの?」
灰色のモヤに向かって、私は話しかけた。
モヤに話しかけるなんて、私もなかなかヤバい人だ。
だけど、そうせずにはいられなかった。
「隠さないで。ちゃんと見せてよ…。これは私のもの。私の記憶でしょ?」
自分の記憶なのに、何で誰かに隠されなきゃいけないの。
おかしいよ、そんなの。
「…ねぇ、教えてよ」
知ってるんでしょ。私の記憶。
「あの人は誰?」
私を呼んだ声。
私の名前。
「あの人は私にとって、どういう人なの?」
きっと、凄く大事な人なんだよね。
ここにいる偽りの家族より、ずっと大切な人なんだよね。
「あの人は、私を探そうとしてくれてるの?」
今も諦めずに、私を探してくれてるの?
「…あの人は、何処にいるの?」
何処に行ったら、私はあの人に会えるの?
会いたいよ。…会わせてよ。夢の中で良いから。
私が何者なのか、教えてよ。
胸の奥から湧き上がってくる、この強い衝動は何なの?
抑えきれなくなるんだよ。
空っぽの自分に、耐えられなくなるの。
「ねぇ、教えて…。君は今、何処にいるの…?」
私は灰色のモヤに向かって、手を伸ばした。
この手が届けば…灰色の景色の向こうにある、私の本当の記憶に手が届けば。
私はきっと、大切なことを思い出せる…。
…はず、だったのに。
…ガチャッ、と扉の開く音がして、私は夢の中から現実に引き戻された。
…あぁ、やっぱり駄目だった。
夢の中でさえ…私は真実を見ることが出来ないのだ。
そして目が覚めた今も、ずっと偽りの世界の中…。
あと少しだったのに…。私を起こしたのは、一体誰?
「…ベリーシュ…」
「…シファちゃん」
この世界で私を起こすのは、やっぱりシファちゃんなんだね。
毎回毎回、最悪のタイミングで起こしてくれるよ。


