神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

…何だか、どっと疲れちゃった。

家に帰ったときには、連絡を受けたのかパパも戻ってきていた。

家に帰り着くなり、「何であんなところにいたのか」とか何とか…。

矢継ぎ早に質問してくるママに、私が何も答えられずにいると。

「今はとにかく休んで、話し合うのは後にしよう」とパパが言った。

このパパ、本当に良い人だね。

私を探してくれている人も、きっと負けないくらい優しい人だった。

…と、思う。

私はぐっしょり濡れた制服を脱いで、お風呂に入った。

気持ち悪い制服を、ようやく脱ぐことが出来たのに…私の気持ちは晴れなかった。

こんな家に居たくない。

私は、私の居るべき場所に帰りたい。

ここは、私の居場所じゃない…。

だけど、たった今連れ戻されたのに、再び脱走することは出来なかった。

多分、またお巡りさんに見つかって連れ戻されちゃうよ。

何で皆して、私をこのちっぽけな家の中に閉じ込めようとするの?

私が居るべき場所は、私が決めるものなんじゃないの?

私を狭くて、暗くて、小さな世界に閉じ込めておくことに、何の意味があるの?

…分かんないよ。何でこんなことになったのか。

私は自分の部屋に戻って、ベッドに横たわった。

毛布を引っ張り上げて、とにかく目を閉じた。

眠かった訳じゃない。疲れてはいたけど。

ただ、夢を見たかった。

また、同じ夢。

夢の中に、私の真実があるに違いない。

現実をいくら探しても、見つからないなら…夢の中で、あの声を探すしかなかった。





…けれど。