その後のことは、あまり思い出したくない。
豚さんの小屋に連れて行かれるのかと思ったら、そんなことはなく。
臭いカツ丼食べさせられるのかなぁと思ったら、そんなこともなく。
タオルを何枚も渡されて、身体を拭くように言われ。
お茶も出されたけど、私は口をつけなかった。
で、色々と、根掘り葉掘り聞かれた。
何処の学校に通ってるんだとか、何でこんなところにいるのかとか。
名前や住所や、電話番号も聞かれた。
…が、私はそのどれも答えなかった。
答えなかったと言うか…答えられなかった。
知らないから。
学校の名前も、自分の名前も、住所も何もかも。
本当の私のものじゃないから。
ただ、何でここにいるのか、という質問だけは…唯一、答えることが出来た。
「…探してるの」
「は…?何を?」
「私を…助けようとしてくれてる人」
嘘偽りのない、真実なのに。
お巡りさんは怪訝な顔をして、そして大きく溜め息をついた。
…本当のことを言ったのに、何で溜め息をつくんだろう。
私にとっては、凄く大切なことなんだよ。
「とにかく…。ちょっと、その名札見せてくれる?」
「…」
私の制服についていた名札と、学生カバンの中に入っていた、生徒手帳、ってものを取り出して。
お巡りさんは、学校と、私の自宅に連絡したらしい。
あれよあれという間に、学校の先生と、それからママがやって来た。
そして、「もう家出しちゃ駄目だよ」とお巡りさんに叱られ。
家出じゃないのに家出扱いされて、意気消沈した私は、ママと先生に連れられて自宅に帰った。
…あっという間の逃避行だった。
儚い逃避行だった。
結局私は、何も見つけられなかった。
こうしている今も、私を呼んだあの声の主は、私を探してくれているかもしれないのに。
豚さんの小屋に連れて行かれるのかと思ったら、そんなことはなく。
臭いカツ丼食べさせられるのかなぁと思ったら、そんなこともなく。
タオルを何枚も渡されて、身体を拭くように言われ。
お茶も出されたけど、私は口をつけなかった。
で、色々と、根掘り葉掘り聞かれた。
何処の学校に通ってるんだとか、何でこんなところにいるのかとか。
名前や住所や、電話番号も聞かれた。
…が、私はそのどれも答えなかった。
答えなかったと言うか…答えられなかった。
知らないから。
学校の名前も、自分の名前も、住所も何もかも。
本当の私のものじゃないから。
ただ、何でここにいるのか、という質問だけは…唯一、答えることが出来た。
「…探してるの」
「は…?何を?」
「私を…助けようとしてくれてる人」
嘘偽りのない、真実なのに。
お巡りさんは怪訝な顔をして、そして大きく溜め息をついた。
…本当のことを言ったのに、何で溜め息をつくんだろう。
私にとっては、凄く大切なことなんだよ。
「とにかく…。ちょっと、その名札見せてくれる?」
「…」
私の制服についていた名札と、学生カバンの中に入っていた、生徒手帳、ってものを取り出して。
お巡りさんは、学校と、私の自宅に連絡したらしい。
あれよあれという間に、学校の先生と、それからママがやって来た。
そして、「もう家出しちゃ駄目だよ」とお巡りさんに叱られ。
家出じゃないのに家出扱いされて、意気消沈した私は、ママと先生に連れられて自宅に帰った。
…あっという間の逃避行だった。
儚い逃避行だった。
結局私は、何も見つけられなかった。
こうしている今も、私を呼んだあの声の主は、私を探してくれているかもしれないのに。


