神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

パパとお喋りをして、朝ご飯を食べ終えて、私は一人で家を出た。

いざ、学校にレッツゴー。

…したは、良いんだけど。

本日の天気は、生憎の雨。

今のところは小雨だけど、雲はどんよりとしていて、気分が上がらない。

「えーっと…。こっちに行って…こっちを曲がって…」

それからあそこを真っ直ぐ行けば、駅に辿り着けるんじゃなかったかな…。

記憶を頼りに、てくてく歩いていくも。

「…あれ?」

…おかしいなー。見覚えのない大通りに出てきちゃった…。

私の予想では…そろそろ駅に着いてるはずだったのに。

「えーっと…。ここを曲がって…真っ直ぐ…」

…??

駄目だ、完全に迷子。

シファちゃん。案の定、私には無理だったよ。一人登校は。

仕方ない。こうなったら奥の手だ。

「お兄さん、ねぇお兄さん」

「え、は、はい?」

通りすがりの、スーツ姿の男の人を呼び止める。

分からないときは、人に聞こう。

人に聞くのは恥ずかしいことじゃないって、前誰かに言われたことがあるような気がする。

「駅って、何処にあるの?」

と、私は通りすがりの男の人に尋ねた。

道、知ってるかな。このお兄さん。教えてくれると良いけど。

「え、駅?」

「うん。セレーナの駅…」

…え?

自分の口からポロリと出てきた言葉に、自分で驚いていた。

セレーナの駅って、一体何処のこと?

私が毎日通ってる駅って、そんな名前じゃなかったよね?

何でいきなり、知らないはずの駅の名前が口をついて出てくるの?

「…セレーナ…?」

お兄さんも首を傾げている。

何処の地名だっけ?

「…何でもない。この辺りで、一番近い駅って何処?」

「え、えぇと…。セレーナっていうのが何なのかは知らないけど…。ここから一番近い駅は、ここを左に曲がって、真っ直ぐ行けば…そこが駅だよ」

「そうなんだ。ありがとー」

ここを左に曲がって、それから真っ直ぐだね。

ありがとうお兄さん。私、頑張って辿り着くよ。