【第二話】
◯久遠学院・グラウンド(午前の授業、一話の終わりと同じシーン)
★前話の回想、印象的なシーンを背景に散りばめる
ほのか(神と言葉を交わすことのできる希少な存在、神託巫女)
(私、佐倉ほのかは久遠薔先輩に声を掛けられたことをきっかけに)
(神託巫女について学ぶため、ここ久遠学院に通うことになった)
(久遠先輩や先生たち曰く、私には特別な神託巫女『神楽姫』の素質があるらしい……んだけど)
★前話の回想終わり
ジャージ姿でグラウンドにへたり込むほのか
ほのか(正直、全く手応えがないんですけど……!)
あやめ先生「まぁー、そんなに落ち込まないで!いきなり体術の授業ってそりゃ無理があるし、出来なくても仕方ないわ!卒業までに最低限、護身術くらい納めてくれれば十分だから」
ほのか「……私、体術って何にも分かんないんですけど、アレってどう見ても護身術じゃないですよね」
ほのかの目線の先では薔vs琥珀&珊瑚&玉縁の模擬戦が行われていた
薔は神剣、琥珀は薙刀、珊瑚は三節棍、玉縁は大きな鉄扇を見事に使いこなしている
審判として三年担任のすみれ先生、ギャラリーとして三年の輝夜と風月が戦う四人を見守っている
あやめ先生「あー。大丈夫、大丈夫。あの子たちは学院入学前からみんな英才教育受けてきてるから。ほのかにあそこまで戦えるようになれとは言わないわよ」
ほのか「っていうか、そもそも神託巫女って戦える必要あるんですか?」
あやめ先生「一応ね。何かあった時に自分の身くらいは守れないと」
ほのか(一応……ってレベルじゃないと思うんだけど)
(それはそうと、久遠先輩ほんとかっこいいなぁ)
三人からの攻撃を軽々と避け、見事に神剣をふるう薔の姿を見て
半ば現実逃避するような気分で見惚れるほのか
自分が今から頑張ったところで四人と肩を並べて戦えるようになるとは全く思えない
あやめ先生「体術はさておき座学、礼儀作法の授業はマストで頑張ってもらわないとかな。他にも霊力を応用した治癒術とか言霊の授業も適宜やってるけど、そこらへんは一旦気にしなくてオッケー。適性がモノを言う分野だからね」
ほのか「座学、礼儀作法……」
あやめ先生「実際、その二つは神様たちと接する以上しっかり抑えとかないとヤバいわよ。それと後、もう一つ。とっても大事なのが────」
◯久遠学院・舞踊室(午後の授業)
畳の上、和装を身にまとって優雅に佇む琥珀、珊瑚、玉縁の姿
あやめ先生「────神楽の授業よ!」
ほのか「か、神楽って……えっと、神様を楽しませるって意味の?」
あやめ先生「そう、その神楽。基本的には舞、歌、和楽器のことよ。神々を楽しませることができるなら究極的にはなんでもいいんだけど」
ほのか「舞、歌、和楽器……」
あやめ先生「ふふ、百聞は一見に如かず。とりあえず見てみて……って、ちょっと!午前の三年との合同授業で疲れ果てちゃったんでしょ!ほらほら頑張って!ほのかにアンタたちの神楽を見せてあげなさい!」
顔と姿勢だけはキリっとしているのものの微動だにしない琥珀、珊瑚、玉縁の姿
玉縁「正直、今から何もできる気がしませんわ」
珊瑚「今日の薔様、えげつなかったな……マジで疲れた……」
琥珀「なんか生き生きとしてらっしゃったわよね……」
玉縁「という訳で、私たち久しぶりにあやめ先生の舞が見たいです」
琥珀「ほのか、初めて神楽見るみたいだし、どうせなら極上の舞を堪能してもらった方がいいんじゃないでしょうか」
珊瑚「あやめ先生、普段はこんな感じだけど実は名家出身だからとんでもなく神楽が上手いんだよ」
ほのか「え、それは気になる」
あやめ先生「…………仕方ないわね、今日は特別だからね!」
生徒たちから褒められて悪い気はしないあやめ先生
満更でもない顔をしながら準備を始める
あやめ先生の手のひらからポンポンっと小さな式神たちが現れた
ほのか「えっ、あれは?」
珊瑚「雅楽用の式神、霊力で生み出した伴奏係ってとこかな」
ほのか「神託巫女って、そんなこともできるんだ……」
ものすごく驚くほのか
玉縁「ほのかもそのうち出せるようになるわ」
琥珀「そうそう、それだけ霊力があれば絶対すぐ出せるようになるから……って、始まるみたいね」
あやめ先生の式神たちの演奏が始まる
こちらに背を向けて座るあやめ先生(ちゃっかり巫女装束に着替えている)
振り返ったあやめ先生の真剣な眼差しにゾクッとするほのか
神楽鈴を片手に舞を始めるあやめ先生
ほのか、息を呑んでじっと見入る
ふと、ほのかの様子に気がついたあやめ先生がにこりと微笑んでくれる
無意識のうちに感嘆の息を漏らすほのか
ほのか「これが神楽……」
珊瑚「さっき先生も言ってた通り、必ずしも舞って訳じゃないけどな。私はもっぱら歌だし」
玉縁「そうね、私も一番得意なのは琵琶」
琥珀「私は竜笛。まぁ、色々やってみて自分に合う神楽を追い追い見つけていけばいいんじゃないかしら」
ほのか「うん……私、頑張る!」
見事な舞を披露してくれた先生と優しい言葉を掛けてくれる同級生たちに勇気づけられ、やる気満々な様子のほのか
◯久遠学院・舞踊室(放課後)
★ほのかの回想
ほのか(────何もかも初めてで、大変だけど)
(気がつけばあっという間に時が過ぎて)
体術、座学、礼儀作法、神楽の授業を受けるほのかの様子
苦戦しつつも、楽しそうに学院での生活を送る
放課後や休み時間にクラスメイト三人と談笑したり、自習したり、アドバイスを受けることも
時折、そんな四人を見守るあやめ先生や薔の姿も
★ほのかの回想終わり
ほのか(入学して、もう二か月かぁ)
和装のまま畳の上で仰向けに寝そべるほのか
顔の隣には琴の式神がいる
最近になってようやく生み出せるようになったほのかの初めての式神
ほのか「君にも会えるようになったし、少しは神託巫女らしくなってきた……の、かな」
ほのかの呟きに琴を奏でて反応してくれる式神
ほのか(式神は道具みたいなものだって教わったけど、妙に可愛い気がしてつい話しかけちゃうんだよね……初めて出した子だからかな?)
そう思いながら式神をつつくほのか
しばらくそうして式神とじゃれていると、薔がやってくる
薔は片手に書類を持っている
バッと畳から身体を起こすほのか
薔「ほのか、お疲れ様」
ほのか「久遠先輩、お疲れ様です!」
薔「ひとりで練習してたの?偉いね」
ほのか「今日はみんな『お務め』みたいで」
薔「なるほど」
ほのか(最初の頃は話す度に緊張してたけど久遠先輩とずいぶん仲良くなれた気がする)
(琥珀たちとも打ち解けたし、少しずつではあるけど神託巫女のことも分かってきた)
(でも、まだお務めには行ってないんだよなぁ)
(神託巫女見習いとして神様の元を訪れて、言葉を交わしたり、神楽を披露するらしいけど)
(そもそも神様って言われても……みんなと一緒にいるのが楽しいから色々頑張ってるだけで、今だにピンときてないっていうか)
薔「そんなほのかに朗報なんだけど」
ほのか「へ?」
薔「初めてのお務め、決まったよ。といっても、私のお務めの見学みたいな感じだけど」
ほのか「えっ、本当ですか!しかも久遠先輩と一緒なんて、そんな!」
薔「イヤ?」
悪戯っぽい視線でほのかを見つめる薔
薔としてもほのかと仲良くなってきたことを実感しているのであくまで冗談めいた表情
ほのか「そ、そんな訳ないじゃないですか……!むしろ嬉しいっていうか、光栄っていうか!」
薔「それはよかった。資料持ってきたんだけど、せっかくだし一緒に読まない?」
ほのか「ぜひ!」
薄く笑う薔、ほのかの隣に座る
二人で任務の資料を読み合わせる
真剣な様子のほのかをほんのり頬を染めて見つめる薔の描写
◯久遠学院・グラウンド(午前の授業、一話の終わりと同じシーン)
★前話の回想、印象的なシーンを背景に散りばめる
ほのか(神と言葉を交わすことのできる希少な存在、神託巫女)
(私、佐倉ほのかは久遠薔先輩に声を掛けられたことをきっかけに)
(神託巫女について学ぶため、ここ久遠学院に通うことになった)
(久遠先輩や先生たち曰く、私には特別な神託巫女『神楽姫』の素質があるらしい……んだけど)
★前話の回想終わり
ジャージ姿でグラウンドにへたり込むほのか
ほのか(正直、全く手応えがないんですけど……!)
あやめ先生「まぁー、そんなに落ち込まないで!いきなり体術の授業ってそりゃ無理があるし、出来なくても仕方ないわ!卒業までに最低限、護身術くらい納めてくれれば十分だから」
ほのか「……私、体術って何にも分かんないんですけど、アレってどう見ても護身術じゃないですよね」
ほのかの目線の先では薔vs琥珀&珊瑚&玉縁の模擬戦が行われていた
薔は神剣、琥珀は薙刀、珊瑚は三節棍、玉縁は大きな鉄扇を見事に使いこなしている
審判として三年担任のすみれ先生、ギャラリーとして三年の輝夜と風月が戦う四人を見守っている
あやめ先生「あー。大丈夫、大丈夫。あの子たちは学院入学前からみんな英才教育受けてきてるから。ほのかにあそこまで戦えるようになれとは言わないわよ」
ほのか「っていうか、そもそも神託巫女って戦える必要あるんですか?」
あやめ先生「一応ね。何かあった時に自分の身くらいは守れないと」
ほのか(一応……ってレベルじゃないと思うんだけど)
(それはそうと、久遠先輩ほんとかっこいいなぁ)
三人からの攻撃を軽々と避け、見事に神剣をふるう薔の姿を見て
半ば現実逃避するような気分で見惚れるほのか
自分が今から頑張ったところで四人と肩を並べて戦えるようになるとは全く思えない
あやめ先生「体術はさておき座学、礼儀作法の授業はマストで頑張ってもらわないとかな。他にも霊力を応用した治癒術とか言霊の授業も適宜やってるけど、そこらへんは一旦気にしなくてオッケー。適性がモノを言う分野だからね」
ほのか「座学、礼儀作法……」
あやめ先生「実際、その二つは神様たちと接する以上しっかり抑えとかないとヤバいわよ。それと後、もう一つ。とっても大事なのが────」
◯久遠学院・舞踊室(午後の授業)
畳の上、和装を身にまとって優雅に佇む琥珀、珊瑚、玉縁の姿
あやめ先生「────神楽の授業よ!」
ほのか「か、神楽って……えっと、神様を楽しませるって意味の?」
あやめ先生「そう、その神楽。基本的には舞、歌、和楽器のことよ。神々を楽しませることができるなら究極的にはなんでもいいんだけど」
ほのか「舞、歌、和楽器……」
あやめ先生「ふふ、百聞は一見に如かず。とりあえず見てみて……って、ちょっと!午前の三年との合同授業で疲れ果てちゃったんでしょ!ほらほら頑張って!ほのかにアンタたちの神楽を見せてあげなさい!」
顔と姿勢だけはキリっとしているのものの微動だにしない琥珀、珊瑚、玉縁の姿
玉縁「正直、今から何もできる気がしませんわ」
珊瑚「今日の薔様、えげつなかったな……マジで疲れた……」
琥珀「なんか生き生きとしてらっしゃったわよね……」
玉縁「という訳で、私たち久しぶりにあやめ先生の舞が見たいです」
琥珀「ほのか、初めて神楽見るみたいだし、どうせなら極上の舞を堪能してもらった方がいいんじゃないでしょうか」
珊瑚「あやめ先生、普段はこんな感じだけど実は名家出身だからとんでもなく神楽が上手いんだよ」
ほのか「え、それは気になる」
あやめ先生「…………仕方ないわね、今日は特別だからね!」
生徒たちから褒められて悪い気はしないあやめ先生
満更でもない顔をしながら準備を始める
あやめ先生の手のひらからポンポンっと小さな式神たちが現れた
ほのか「えっ、あれは?」
珊瑚「雅楽用の式神、霊力で生み出した伴奏係ってとこかな」
ほのか「神託巫女って、そんなこともできるんだ……」
ものすごく驚くほのか
玉縁「ほのかもそのうち出せるようになるわ」
琥珀「そうそう、それだけ霊力があれば絶対すぐ出せるようになるから……って、始まるみたいね」
あやめ先生の式神たちの演奏が始まる
こちらに背を向けて座るあやめ先生(ちゃっかり巫女装束に着替えている)
振り返ったあやめ先生の真剣な眼差しにゾクッとするほのか
神楽鈴を片手に舞を始めるあやめ先生
ほのか、息を呑んでじっと見入る
ふと、ほのかの様子に気がついたあやめ先生がにこりと微笑んでくれる
無意識のうちに感嘆の息を漏らすほのか
ほのか「これが神楽……」
珊瑚「さっき先生も言ってた通り、必ずしも舞って訳じゃないけどな。私はもっぱら歌だし」
玉縁「そうね、私も一番得意なのは琵琶」
琥珀「私は竜笛。まぁ、色々やってみて自分に合う神楽を追い追い見つけていけばいいんじゃないかしら」
ほのか「うん……私、頑張る!」
見事な舞を披露してくれた先生と優しい言葉を掛けてくれる同級生たちに勇気づけられ、やる気満々な様子のほのか
◯久遠学院・舞踊室(放課後)
★ほのかの回想
ほのか(────何もかも初めてで、大変だけど)
(気がつけばあっという間に時が過ぎて)
体術、座学、礼儀作法、神楽の授業を受けるほのかの様子
苦戦しつつも、楽しそうに学院での生活を送る
放課後や休み時間にクラスメイト三人と談笑したり、自習したり、アドバイスを受けることも
時折、そんな四人を見守るあやめ先生や薔の姿も
★ほのかの回想終わり
ほのか(入学して、もう二か月かぁ)
和装のまま畳の上で仰向けに寝そべるほのか
顔の隣には琴の式神がいる
最近になってようやく生み出せるようになったほのかの初めての式神
ほのか「君にも会えるようになったし、少しは神託巫女らしくなってきた……の、かな」
ほのかの呟きに琴を奏でて反応してくれる式神
ほのか(式神は道具みたいなものだって教わったけど、妙に可愛い気がしてつい話しかけちゃうんだよね……初めて出した子だからかな?)
そう思いながら式神をつつくほのか
しばらくそうして式神とじゃれていると、薔がやってくる
薔は片手に書類を持っている
バッと畳から身体を起こすほのか
薔「ほのか、お疲れ様」
ほのか「久遠先輩、お疲れ様です!」
薔「ひとりで練習してたの?偉いね」
ほのか「今日はみんな『お務め』みたいで」
薔「なるほど」
ほのか(最初の頃は話す度に緊張してたけど久遠先輩とずいぶん仲良くなれた気がする)
(琥珀たちとも打ち解けたし、少しずつではあるけど神託巫女のことも分かってきた)
(でも、まだお務めには行ってないんだよなぁ)
(神託巫女見習いとして神様の元を訪れて、言葉を交わしたり、神楽を披露するらしいけど)
(そもそも神様って言われても……みんなと一緒にいるのが楽しいから色々頑張ってるだけで、今だにピンときてないっていうか)
薔「そんなほのかに朗報なんだけど」
ほのか「へ?」
薔「初めてのお務め、決まったよ。といっても、私のお務めの見学みたいな感じだけど」
ほのか「えっ、本当ですか!しかも久遠先輩と一緒なんて、そんな!」
薔「イヤ?」
悪戯っぽい視線でほのかを見つめる薔
薔としてもほのかと仲良くなってきたことを実感しているのであくまで冗談めいた表情
ほのか「そ、そんな訳ないじゃないですか……!むしろ嬉しいっていうか、光栄っていうか!」
薔「それはよかった。資料持ってきたんだけど、せっかくだし一緒に読まない?」
ほのか「ぜひ!」
薄く笑う薔、ほのかの隣に座る
二人で任務の資料を読み合わせる
真剣な様子のほのかをほんのり頬を染めて見つめる薔の描写