(乙女レッドが笑われるって…)
振り向きながら、肩を落としたあたし。
「そんなことよりも」
熊五郎は話を続けた。
「十夜君は、アメリカから帰国したから…まだ日本に馴染んでいないので、みんなよろしくな」
そういう理由で許されているのか…金髪の十夜。
「席はそうだな〜」
熊五郎は、教室を見回し、
「結城の隣で!」
「え!」
あたしは驚いた。
丸めた答案用紙が、思わず床に落とした。
昨日まで空いていなかった席が…席が空いている。
あたしは、大きな力のテコ入れを感じた。
空いている席を呆然と見つめていると、あたしの視線をスレンダーなボディがふさいだ。
「邪魔するぞ」
あたしが視線を上げると、転校生十夜小百合の冷たい目と目が合った。
「乙女…」
「あたしじゃない!」
慌てて立ち上がったあたしと、十夜は睨み合う。
ここでばらされる訳にはいかない。
「そうか…」
十夜はフッと笑った。
「!?」
どうしてだろうか…。
あたしは、十夜の目を見ると、なぜか知ってるような気がした。
「お前の名は?」
十夜は改めてきいた。
「ゆ、結城…里奈」
どうしてか…素直にこたえてしまった。
「結城…里奈。憶えておくぞ」
十夜は席に着いた。
「え…え」
1人立っていることになったあたしは、慌てて座った。
「落ちてたぞ」
あたしが席に着くと、十夜があたしに向かって手を伸ばした。
「落ちてたぞ」
丸めた答案用紙を十夜に渡されて、あたしは顔を真っ赤にした。
なぜなら…せっかく丸めたのに、点数が丸見えだった。
「違うわ!」
あたしが奪い取った。
「おかしいな」
十夜はまた笑った。
「結城里奈ではないのか?」
なぜか…点数だけでなく、名前も丸見えだった。
答案用紙をくしゃくしゃにした意味がなかった。
あたしは、がくっと肩を落とした。
振り向きながら、肩を落としたあたし。
「そんなことよりも」
熊五郎は話を続けた。
「十夜君は、アメリカから帰国したから…まだ日本に馴染んでいないので、みんなよろしくな」
そういう理由で許されているのか…金髪の十夜。
「席はそうだな〜」
熊五郎は、教室を見回し、
「結城の隣で!」
「え!」
あたしは驚いた。
丸めた答案用紙が、思わず床に落とした。
昨日まで空いていなかった席が…席が空いている。
あたしは、大きな力のテコ入れを感じた。
空いている席を呆然と見つめていると、あたしの視線をスレンダーなボディがふさいだ。
「邪魔するぞ」
あたしが視線を上げると、転校生十夜小百合の冷たい目と目が合った。
「乙女…」
「あたしじゃない!」
慌てて立ち上がったあたしと、十夜は睨み合う。
ここでばらされる訳にはいかない。
「そうか…」
十夜はフッと笑った。
「!?」
どうしてだろうか…。
あたしは、十夜の目を見ると、なぜか知ってるような気がした。
「お前の名は?」
十夜は改めてきいた。
「ゆ、結城…里奈」
どうしてか…素直にこたえてしまった。
「結城…里奈。憶えておくぞ」
十夜は席に着いた。
「え…え」
1人立っていることになったあたしは、慌てて座った。
「落ちてたぞ」
あたしが席に着くと、十夜があたしに向かって手を伸ばした。
「落ちてたぞ」
丸めた答案用紙を十夜に渡されて、あたしは顔を真っ赤にした。
なぜなら…せっかく丸めたのに、点数が丸見えだった。
「違うわ!」
あたしが奪い取った。
「おかしいな」
十夜はまた笑った。
「結城里奈ではないのか?」
なぜか…点数だけでなく、名前も丸見えだった。
答案用紙をくしゃくしゃにした意味がなかった。
あたしは、がくっと肩を落とした。


