「とお!」

掛け声を上げて、あたしと夏希が舞う。


「ききき!」

猿のような甲高い声を上げて、黒タイツの下っぱ達が逃げる。

その手には、赤点のテスト用紙を持って。


「てめえら!あたしの…じゃない!結城り…じゃない!かわいい生徒の答案を返しなさい!」


あたしこと結城里奈と、夏希の答案を持って、逃げる下っぱ達。

あたしと夏希は、乙女レッド、ブルーに変身していた。


思わず、正体を口にするところだった。


乙女ソルジャーをやってることも、恥ずかしいのに、

赤点はない。


「ききき!」

下っぱ達は、告白のメッカ体育館裏に逃げ込んだ。

「待て!」

下っぱを追って、体育館裏に飛び込んだあたし達の前に、怪人が立ち塞がった。

差し棒を持ち、眼鏡をかけ、短いスカートをはき、

バックにはホワイトボードが!



「あなた達ねえ!」

怪人は、あたし達の答案を持ち、

「こんな点数とって!もお〜!許さないんだがらね」

頬を膨らませて、怒ってみせた。

やつの名は、怪人赤点女教師!

某進学塾からも、スカウトを来たと噂される(どこからだ)エリート女教師だ。

「これから!たっぷり、お仕置きしますからね」

近付いてくる赤点女教師に、あたしはたまらずパンチを叩き込んだ。

「女教師じゃあねえだろ!」



そう赤点女教師は、髭が濃かったのだ。

「きゃあ!校内暴力よ!」

女教師が、鼻を押さえた。

血が流れていた。

「うるさい!あたしの答案を返せ!」

あたしの蹴りが、赤点女教師を吹っ飛ばした。

勿論、いつものお約束のパンチラと共に。

「うぎゃあ!」

低い声を上げて、恥じらいキックを受けた赤点女教師は、気を失った。



「レッド!ブルー!」

その時、後ろから九鬼が姿をみせた。

「九鬼〜遅い!」

答案を破りながら、あたしは振り返った。

「レッド!危ない!」

九鬼は叫びながら、あたしに向かって走り出した。