咄嗟に首を曲げ、それを避けた九鬼は、向かってきた腕を掴んだ。

結構がっしりした腕は、包丁を握り締めていた。

「あ、あなたは!?」

九鬼は腕を極め、回転して、そのまま包丁を手から落とそうとした。

しかし、信じられない力が、九鬼を吹き飛ばした。

「な!」

九鬼は、校舎の壁に激突した。

受け身をとることもできず、肩を強打した九鬼は、痛みに顔を歪めながら、自分を攻撃してきた相手を見た。

茶色に近い色をした戦闘服を纏った女が、立っていた。

手には、包丁を持って…。

「お、乙女ソルジャーか…」

九鬼は肩を押さえながら、その女を見つめた。



次回!

乙女戦隊 月影

第五話!

【くすんだ戦士に、恋しくて】

ご期待下さい。