回転したまま、突然足を離されたあたしは、勢いで廊下を転がった。

チカンも、目が回ったらしくて、ふらふらになりながら、廊下の壁に激突した。

しかし、なぜか顔は満足感に溢れていた。

動けないチカンを見て、半月ソルジャーは叫んだ。

「乙女ソルジャーに危機が訪れた時、あいつが現れる!」

半月ソルジャーは、リモコンを股間から取り出すと、

「出でよ!月影ロボ!」

半月ソルジャーの要請に答えて、普段ならすぐに現れる月影ロボが現れない。

「ロボ!」

心配になって、駆け出した半月ソルジャーは、廊下を曲がった瞬間、

途中で止まっている月影ロボに気付いた。

半月ソルジャーが急いで、月影ロボに駆け寄った。

充電が切れていた。

それを知った半月ソルジャーは、泣きながら、ロボにすがりついた。

「だ、誰が…コンセントを」

半月ソルジャーは、ロボを抱き締めた。



「神よ…夢が叶いました」

涙を流しながら、恍惚の表情を浮かべるチカンは、立ち上がり、歩き出した。

「今日はもう…満足しました」

清々しい表情で、帰ろうとするチカンは、なぜか動けなくなった。

「な、な、舐めるな」

あたしは、倒れながらもチカンの足を掴んでいたのだ。

立ち上がる瞬間、力任せに、チカンをほおり投げた。 

チカンは、廊下の壁に頭を打った。

立ち上がったあたしは、蹴りをチカンの鳩尾に入れると、

「何度も、何度も、乙女のパンツを見やがって!胸を触りやがって!」

今度も胸ぐらを掴み、無理矢理立たすと、頭突きを食らわした。

「舐めるなよ!」

何度も頭突きをくらわし、

あたしは最高にキレた。



「レッド!」

近くの教室のコンセントに、月影ロボをつないでから、

半月ソルジャーはあたしのところに戻ってきた。

そして、そこで行われた惨劇に、引いた。

額から血を流し、血塗れになっているあたしを見て。