勿論、お見合いコンパは、加奈子のせいで、おかしな空気になり…

そのまま終わってしまった。

「いい女を…抱く根性もないのかいよ」

会場を出るとき、男性陣に唾を吐きながら、鞄を背負い帰っていく加奈子の後ろ姿に、

半田は、何か運命のようなものを感じていた。


「半田先生」

会場を出て、雑居ビル内の廊下で立ちすくみ、加奈子を見送っていた半田は、後ろから突然声をかけられて、振り返った。


「あ、あなたは!」


その出会いが、半田の運命を変えることとなる。