今日は久しぶりに晴れだったので、放課後にみんなで公園に集まった。「卒業まであと、13日かぁ」と優依が噛みしめるように言った。私は神様は意地悪だと恨んだ。私達はそれぞれ2つの中学校に分かれてしまう。親しい友達がいない中での中学校生活は一体どんなものだろうと不安で頭が痛い。おそらくみんなも同じ気持ちだろう。

気の利く樹が暗い雰囲気の私達に声をかけた。「なぁ、キャッチボールせん?」とボールを片手に笑った。八重歯が覗き、私はドキッと胸が高鳴るのを感じた。

私はきっと樹に恋しているのだろう。けれど卒業すれば、これは幕を閉じるのだ。私の恋、初々しい甘酸っぱい恋よ、さらばだ。私は大きく深呼吸をし、自分に言い聞かせた。