ふと、ため息をつく。
「もう、卒業かぁ。」友達の陽咲がカラカラと笑う。私は空を見上げた。どこか白くくすんだ空は春を知らせてくれる。「そうやね」と私は陽咲を見て微笑んだ。

この一年は本当に充実していた。面白い奴がいて、嫌いな奴がいて、馬鹿な奴がいる私のクラスは「青春」という言葉がよく似合った。だから、時間が恐ろしく早く感じるのには納得できる。

けれど、「卒業」と聞くと、そいつらが他人に見えてくる。両親が言うには、大人になって小学校の友達に会えるのはゼロに等しいそうだ。今までの時間は何だったんだと眉をひそめ、静かに思う。