そして9月。特に進展はなかったけれど、部活を引退したことでたまに帰りの時間が被るようになって。「ばいばい」くらいの何気ないものだったけど、挨拶出来る機会が増えた。

10月。高校生活最後の行事の体育祭があった。彼が選抜リレーで走る姿がすごくかっこよくて。ああそうだ、その時に私、この人のこと好きだってやっと自分に素直になれたんだった。私が彼を気になってることを知っている友達が背中を押してくれて、2人で写真を撮ることも出来た。その日、写真を送ったら、「俺も誘おうと思ってたんだけど勇気出なくて笑 ありがとう」って言ってくれて、ほんとにほんとに嬉しかった。

あ、なんか、泣きそう。
夕焼けの下、冷たい風に吹かれながら、そんなことを思い出しているうちに何故か感傷的になってしまったみたい。

…なんでだろ。別に、失恋した訳でもないのに、彼のことを思うと、胸がきゅっとなってしまうのは。