パシッーーー
突然捕まれた手。
「っ、先輩?」
目の前の先輩が、すごく余裕のない顔をしてる。
私と小牧くんが話してるあいだに何か起きたのだろうか。
「ん、」
差し出された手には青色のハチマキが乗っている。
さっきまで先輩の首についていたハチマキは消えて、手に握られてるってことは…これは先輩のハチマキ?
「え、これ、」
「ほら、お前のも寄越せよ。」
文句あるのか、と言わんばかりの目。
「っ、いいんですかっ?」
「あとでちゃんと返せよ。」
だって、さっき嫌って言ってたのに。
どういう心境の変化なのかわからないけど、とにかく嬉しい。
はちまきは後で担任に回収されるから、また体育祭が終わっても先輩に会うことができる口実。
「っ、はい!先輩、らぶです!」
急いで自分のはちまきを外して、先輩に渡した。



