泣きそうになりながら、俯いていると、
「ん。」
先輩の手が差し出されて、スマホの画面にはQRコードが映し出されていた。
これはきっと先輩の連絡先。
「…え、…先輩これ、」
「…なんだよ、」
ハッと顔を上げると、少し恥ずかしそうな先輩の顔。
「でも、わ、私先輩との約束守れてません!」
あんなに嫌がってたのに、どうして。
「じゃあいらねぇのか。」
眉間に皺を寄せて、スマホを戻そうとする先輩。
「あああ!いります!登録させてください!」
「…早くしろよ、」
「はいっ!!」
慌てて、制服からスマホを取り出して、QRコードを読み取る。
そこに映るのは『刈谷凌』の文字と、初期のままのアイコン画像。
先輩らしくて思わず笑みが溢れる。
「…よく頑張ったな。」
その言葉に、身体が熱くなる。
「っ、…先輩、大好きです!」
「…またそれか」



