恋に堕ちたら【完】


お昼になっても合わせる顔がなく凌先輩には会いに行かなかった。



放課後になり、帰ろうと教室を出た時。



「…おい。」


凌先輩が廊下の前で待っていた。



やけに不機嫌なその顔。



「先輩っ、どうして、」




「今日全部テスト返ってきたんだろ。」




「あ、…はい。」



どうしてそれを知ってるんだろう。



私何も言ってないと思うんだけどな。


それに先輩はそんなに興味がないと思ってたから、少し嬉しい。



「どうだったんだよ。」




「…だめでした!いや〜数学だけ85点で!…やっぱり私はバカですよね!」


何も感じていないかのように、取り繕って先輩に笑いかける。



連絡先交換するの嫌がってたし、先輩からしたら嬉しい報告だよね。



…それにしても、やっぱり頑張った分悔しいなぁ。




「…、そうだな」





「っ、えへへ…先輩今日もきついですねぇ」


いつもならなんてことない先輩の毒舌が、今日はやたらと刺さる。