恋に堕ちたら【完】




「…んだ、それ。」



何故か少し不機嫌になってしまった先輩にハテナが浮かぶ。



「小牧くんは学年一位の頭脳の持ち主です!必ず先輩の連絡先をゲットしますから!!」




「あっそ」



ガッツポーズを見せて意気込んでもこの塩対応。




「岡崎茉莉、死ぬ気で頑張ります!!では、失礼します。」



小牧くんのこと待たせてるし、早く行かないと!そう思い、駆け出そうとした時、



パシッーー




「…っ先輩…?」




突然腕を掴まれて、行手を阻まれた。


意味がわからなくて、呆然とする。



でもそれは凌先輩も同じだったみたいで、びっくりした顔をして急いで私の腕を離した。


「っ、…早く行けよ。」




「…はい。し、失礼しますっ」



何が起こったのか、何故引き止められたのかわからないまま、その場を離れた。



…先輩の顔、なんか赤かった気がする。