恋に堕ちたら【完】




次の日の放課後、傘を返しに先輩の教室に来たはいいものの。



「…寝てる」


教室には寝ている凌先輩と私だけ。


先輩は自分の机でスヤスヤと寝息を立てて眠っている。




「かっこいい……」


きめ細かい肌、高い鼻、長いまつ毛、形のいい唇。


見入ってしまう。



カシャーーー




私は無意識に携帯を取り出して、先輩の寝顔をスマホにおさめていた。




パシッーー



シャッター音と共に何かに掴まれる手。




「っ、」



手を突然掴まれ



とんでもない殺気を感じ、液晶画面から目を離すと、睨むような凌先輩の目。



「…てめえ。」





「せ、せ、先輩いつから…っ!」



バレてた!!しかも今起きましたって顔じゃない!


もしかしてずっと起きてた!?




「消せ。」




「嫌です!待ち受けにします!」




先輩が席を立って、私の手からスマホを奪おうとするから必死に抗う。



「やめろ。」




「消したくないです!」




必死に逃げる。



これだけは渡さない!




「盗撮なんて犯罪だぞ。」



「すみません!でも消しません!」



教室の中を2人で鬼ごっこ状態。