そんな事件から数日経ったある日。
「雨…」
ロッカーで、スリッパから自分の靴に履き替え、外に出ようとすると雨が降っていた。
今日は風紀委員会があって、帰る時間が遅くなってしまった。
もう一度ロッカーに戻って、ロッカーに入れてあった水玉模様の折りたたみ傘を取り出す。
今日雨なんて天気予報で言ってたかなぁ。
そんなことを思いながら傘をさす。
「え、壊れてる。」
開かない折りたたみ傘に絶望する。
この間まで使ってたのに!
もうこうなったら、雨の中帰るしかない!
帰るだけだし、濡れても平気。
「よしっ、」
いざ、出ようと足を踏み出した時、首根っこを掴まれて動きを阻止される。
「おいっ、何してんだよ」
振り返るといたのは、焦った様子の凌先輩。
「凌先輩!!」
会うのは実に三日ぶり!
委員会やら、なんやらで会えないでいた。
いつも以上にキラキラしてみえる。
「こんな雨の中傘もささねえでバカか。」
「大丈夫ですよ!私丈夫なので。」
生まれてこの方体調を崩したことはあまりない。
体力には自信がある!
「そういう問題じゃねえだろ。」
呆れたような表情。
…また呆られてしまった。
「俺の傘使え。」



