やがて、部屋にかけてある時計が
18時を音を鳴らして知らせた。
天宮が「そろそろ、帰る時間だね」
と言って、マイクやタッチパネルを
元の場所に戻した。

天宮と真咲は部屋を出て、
カウンターに向かった。
カウンターに着くなり代金を支払った。

天宮と真咲はカラオケ店を出ると
ケチャップがかかったような
夕焼けの空の下で、「じゃあな」と
言って別れた。

金曜日、天宮は朝の7時10分に
家を出た。
天宮 少しでも鈴宮と話す時間を
作りたいから。今日は早起きして
学校に行くことにする

天宮は1年B組の教室のドアを開き
「鈴宮、いる?」と問いかけるが
教室はシーンと静まり返って
誰もいない様子だ。

7時45分 静まり返っていた教室に
ガラガラとドアの開く音が響く。
振り向くと鈴宮が立っていた。

天宮は嬉しそうに、「おはよう、
鈴宮!」と挨拶した。

鈴宮は早く来ていた天宮に
一瞬ビビりながらも、
「おはよう、天宮君、来るの
早いね」と天宮に返事した。

天宮は少し髪をくしゃくしゃ
させながら、「鈴宮と話したいから
早起きして学校来ちゃった♪」
と伝えた。

鈴宮は予想もつかなかった天宮の
答えに顔を苺色に染め、
「それってストーカー」と
茶化した。