天宮は歌いながら思っていた。
思えば、僕の今までの人生って
親の評判や先生の薦めで友達と
付き合ってて、 
なんだか虚しかったな。

自分から友達になりたい
そう思えたのは鈴宮だけだ。

いつも、みんなの輪に入ってこない
鈴宮 
だけど、図書委員の活動には
熱心な鈴宮
いつの間にか僕の日常は鈴宮で
あふれていた。

せっかく同じクラスになれたんだ、
仲良くなりたいじゃんか。

鈴宮と仲良くなることを
周りに反対されたくないのに、
人間関係って難しい。

天宮は歌い終わると、
「真咲、あとお前、歌っていいよ」
と言い、マイクの電源をOFFにした。

真咲が嬉しそうにご機嫌な声で
「本当?じゃあ、そうさせてもらうわ
」と言って、タッチパネルに
夢中で曲を打ち込んでひたすら
歌っていく。

天宮はドリンクコーナーに行き、
今時期は暑いであろう、
コーンクリームスープをついで
部屋に戻った。