担任が後ろを振り向き、
生徒一同の様子を見ながら
「よーし、書き終わったな。
黒板消してくぞ」と呼びかけ、
文字だらけの黒板を、黒板消しで
消し始めた。

担任が教科書をめくり、
「よし、次、20ページの詩、
藤野、読んでくれ」と発した。

藤野はゆっくり席から立ち上がり、
「はい」としとやかな返事の後、
教科書を読み始めた。

藤野「詩、誕生日 萩原 要
誕生日、君がこの世に誕生した日
一年の中で最もめでたい一日
君は生まれてこなければよかった
と言うけれど、僕はそう思わない
いつも2人で祝える誕生日が
何よりのご褒美」

担任「はい、そこまで。
藤野、ありがとう」

担任「じゃあ、問題解いてくぞ!
宮崎!」

宮崎は元気よく「はい」と返事し
席から立ち上がった。

担任「この詩は、なにについて
書かれた詩ですか?」
宮崎「お誕生日についてです」

担任「じゃあ、次の問題、
この詩の中で作者の優しさが
伺える一節を選び出せ。
A めでたい一日
B僕はそう思わない
C2人で祝える誕生日が
何よりのご褒美」

宮崎「私はBだと思います。」
担任「なぜ、そう思う?」
宮崎「相手が生まれてこなければ
よかったと言っているのに対し
作者は生まれてきてよかったと
思っているからです。」

担任「ここはCが正解だ」

担任「もう一つ問題解いてくぞ。
これは作者が誰に宛てた詩ですか?
あてはまるものを抜き出しなさい。
A 母、父
B 妹
C姉、弟」

宮崎は少し苦戦している様子で
「Bです」と答えた

担任「正解!問題はここまでだ。
ありがとう、もう座っていいぞ」
宮崎が着席する

国語の担任は「じゃあ、今の詩と
問題、板書するから、みんなも
書写してくれよな」と言うと、
先ほど生徒が読み上げた詩と
問題の解答をチョークで
書き上げていく

急ぐ先生のペースに生徒達も
必死についていく。