花火大会まではまだ時間があるので、屋台を見て回ることにした。
来れなかったさっちゃんのためにお土産も買いたいしね。


「な、何から食べよっか?」

「そ、そうね…ラムネが飲みたいわ」

「いいね、僕も飲もうかな」


何となくギクシャクしながら、ラムネ屋に向かった。
思えば緊張しすぎて喉がカラカラだったんだよね。

シュワシュワとした炭酸が喉を潤してくれる。
ラムネを飲み干したら、急にお腹も空いてきた。


「あっ焼きそばあるよ!」

「私はたこ焼き食べたいわ。半分こしない?」

「いいね!」


あっ今のなんかデートっぽい!

僕は焼きそば、桃はたこ焼きを買ってそれぞれ二人で分けた。
やばい、分け合って食べるだけでいつもよりも美味しく感じる…!

なんかもう既に楽しすぎる。


「さっちゃんへのお土産、何にしようか?」

「りんご飴とかいいんじゃない?」

「りんご飴あそこにあるよ」 

「ちょうどいいわね」


りんご飴の屋台に向かったんだけど、


「あっ!!」

「え、何?」

「や、やっぱりやめよう!」


僕は桃の手を掴み、りんご飴の屋台から速歩きで離れる。


「どうかしたの?」

「クラスの子たちがいたんだよ…!」