「蒼永が喜ぶかはわかんないけど、浴衣は着たいな!」
「絶対喜ぶに決まってんじゃない」
「じゃあ、みんなで浴衣着て行こうよ!」
「「え。」」
「私だけじゃ変だよ。みんなで着た方が楽しいじゃない!」
正直、僕も桃の浴衣姿が見たいと思っていたので、
「いいよ!みんなで着よう!」
思わず声を上げてしまった。
「えーー…」
「桃ちゃんも着ようよ〜。もしかして浴衣持ってない?」
「いや、姉のお下がりがあると思うけど…わかったわよ」
やったーーー!!
ありがとうさっちゃん!!
内心でガッツポーズをしていた。
浴衣姿の桃、絶対にかわいい。
色んな意味で楽しみができた。
あとはできれば、夏休み中に桃と二人だけでも遊びに行きたいんだけど…花火大会の時にさりげなく誘ってみようかな。
どこに行こうかな?
なんて考えるだけでも楽しみすぎて。
帰宅してから親に「何ニヤニヤしてんの?」と怪訝な顔をされた。
好きな子と過ごせる夏、良い思い出にしたい。
あわよくば、この夏でもっと進展できたら理想なんだけどな――。



