「上手だね」
「大志ほどじゃないわよ」
「桃は家で料理するの?」
「たまに。主に料理は姉が作ってくれるの」
「へー!すごいねお姉さん」
お姉さんには申し訳ないけど、勝手なイメージはあんまりやらない人なのかと思ってたけど。
「胃袋掴んでいい男も捕まえるんですって」
「なるほど…」
「でも、最近になってお姉ちゃんが努力家だって、わかってきたわ。
男のためだと言いつつ、家族のために頑張ってくれてることも」
「そっか。いいお姉さんだね」
僕はニッコリと微笑んだ。
お姉さんとの仲が良好になってきたみたいでよかった。
「〜…っ、ありがとう…」
僕たちはまだ、友達という関係性だけど。
桃の反応が少し変わってきた。
今までは頬を少し赤らめることなんてなかったのに。
「かわいい」
「――はっ!?」
「いや、ごめん…かわいいなって」
「ど、どこがよ!?そんな要素なかったと思うけど!」
もっと頬を染めて困惑する表情がまたかわいい。
これがツンデレというやつなのかな?
すごくかわいい……。
「桃乃ちゃーん!サラダ用の野菜切ったよ!!」
わざと僕たちの間に割り込み、サラダボウルを見せる常盤くん。
「あ、ありがとう常盤くん」
「ねぇ桃乃ちゃん、俺のことも名前で呼んでよ」