だけど、それを良く思わない人たちもいたんだ。


「お前ってさぁ、なんでそんなにクルクルパーマなの?」


突然話しかけてきたのは、同じクラスの灰澤(はいざわ)くん。
他の子よりも背が高くて体格も良くて、いわゆるガキ大将的な存在だ。
灰澤くんの隣にはいつも一緒にいる、取り巻きもいる。


「えっと、これは……」

「しかもメガネとか!ダッセェ〜!!」

「…っ、」


恥ずかしくなってサッと顔を隠した。


「オイオイ、こいつ顔隠してるぜ!」
「なんだよ!見せてみろよ〜〜」


急になんで?
なんか僕、気に触るようなことしたかな…?


「ダッセェくせに白凪としゃべれていい気になってんじゃねーぞ!このクルクルメガネ!」
「クルクルメガネ〜!!」


――え…?

白凪さん……?


「オイ、なんで黙ってんだよ!なんとか言えよ」
「なんとか言えよ〜〜!!」


灰澤くんは僕の髪をグイッと引っ張った。
体格が良いだけあって力も強い。


「っ、いたい…っ」


なのに、やめてって言えない。
怖くて上手く言葉が出せない。

だれか、たすけて…っ!!



「――やめなさいっ!!」