放課後。
マーチングバンド部に入った私、生徒会に入った黄瀬くんはそれぞれの活動へ。
帰宅部の咲玖は先に帰る。


「咲玖、真っ直ぐ帰るのよ!体育館裏なんて行かなくていいから」

「はーい」

「またねさっちゃん!」

「またね〜!」


咲玖と別れ、黄瀬くんがこっそり耳打ちする。


「さっちゃん、なんで体育館裏に呼び出されたか知らないの?」

「知らないし気づいてもないから、そのままでいいかと思って」

「うーん、それもそうか…」

「黄瀬くん、九竜と連絡取ってるなら言っといて。
とっとと帰って来いって」

「あはは、言っとく」

「じゃ、私も部活に行くわ」

「うん、またね」


黄瀬くんと別れてから、はぁーと大きく息を吐く。

……今、いつも通り話せてたわよね?
変な感じになってなかったわよね……?

何故か黄瀬くんと話すのがいつもより、とても緊張した。

ダメダメ、これから部活なんだから!
切り替えて集中しないと!

頬をパンパン叩いて気合いを入れ直し、部活に向かう。
まだ仮入部中ではあるけど、やらせてもらったカラーガードがセンスあると言われ、自分でも楽しかったので入部届を出そうと思ってる。

中学では部活を頑張るって決めてるんだから、余計なこと考えてる場合じゃないわ。