「…それが、どうしたの?」
「初めてだったんだよ!この僕をクラスのアイドル、または王子様として扱わなかったのは!
桃乃ちゃんは他の女の子とは違って、俺を一人の人間として見てくれてるような気がして。
それがとても嬉しいことに気づいてしまったんだ!」
「……。」
「桃乃ちゃんって、他の子とは違うオーラを纏ってるよね…それもとても魅力的だ。
俺のお姫様は彼女しかいないって思ったんだよ!」
「…それを、どうして僕に話すの?」
「君が一番わかってるんじゃないの?
君も桃乃ちゃんに好意を抱いているよね?」
「……っ、」
やっぱり、バレていたか――…。
「一瞬白凪ちゃんの可能性も考えたけど、あの子は確か俺のかつてのライバルのガールフレンドだったと思うし、反応的に違うんだろうと思ったよ」
「かつてのライバル?」
「九竜くんといったっけ?俺と女子人気を二分していたライバルさ」
…蒼永くん、勝手にライバルにされてるよ。
いやでも、ちゃんとよく見てるんだな。
蒼永くんとさっちゃんのことも知ってたんだ。
「正直ね、なんで君みたいな冴えないメガネくんが桃乃ちゃんみたいな子と仲が良いんだろうって思ってたよ。
だから君と話してみたかった」
はっきり言うなぁ。
別に否定するつもりもないけどさ。
「なんとなく、わかった気がするよ。
だから認めよう、君は俺のライバルだ」



