今も僕たちは友達として仲良くしている。
もちろん、春日井さんとも。
さっちゃんがいると自然といつものノリになるから、すごく有難い。
「ねぇ、私のスカート短くないよね?」
「そうね、規定値じゃない?」
「蒼永に制服の写真送ったら、スカート短いって言われたんだけど」
「あーね…」
「おい、あそこにいる女子二人、めっちゃかわいくね!?」
誰なのか知らないけど、ある男子が声をあげた。
その視線は明らかにさっちゃんと春日井さんに向けられている。
「マジだ!二つ結びのかわいい系の子、めちゃくちゃタイプなんだけど!!」
「俺はストレートの美人系かな!!」
「つーか一緒にいるモッサイ男何者だよ!」
さっちゃんと春日井さんは聞こえてないみたいだけど、僕の耳にはバッチリ聞こえてる。
よく見たら二人とも、ものすごく見られてる。
そして、こんな美少女二人と仲良く話してる僕って何者なんだろうね?自分でも思うよ…。
蒼永くん、心配なんだろうなぁ。
何かあったら報告しとこう。
「大志くーん!早くクラス見に行こう!」
「うん、今行くよ」
周囲の男子たちの痛い視線を一心に受けながら、さっちゃんを追いかける。
昇降口には各クラス表が貼り出されてるけど、たくさん人が集まっていてよく見えない。
さっちゃんはさっきからぴょこぴょこしている。
「見えないよ〜」
「あっ、さっちゃんの名前見つけた!3組だって!」
「ほんと!?」
「春日井さんも3組だ!」
「あら」
「やった〜〜!!桃ちゃん一緒!!」
春日井さんに抱きついてぴょんぴょん跳ねるさっちゃんと、とても冷静な春日井さん。
クラス表に視線を向けたまま、尋ねる。
「黄瀬くんは?」
「えーと僕は……あ、僕も3組だ」
「ほんとに!?」
「確かに、三人とも名前あるわね」
「すごい!こんなことあるんだね!」
「すっごいうれし〜〜!!」