癖の強い天パを少しでも押さえるべく、髪の毛はいつも重ためにするせいで、モサモサ頭。

視力の低下が進んだことでレンズの分厚いメガネに変えた。

袖を通した制服は、これから身長が伸びることを想定して大きめのサイズを買ったので、ブカブカで着られてる感が否めない。

こうして見ると、ほんとに僕って……


「……冴えないなぁ」


鏡の前の自分、あまりにもダサすぎる。
中学生になったのに、このままじゃマズイかも……。


「何してるの大志!入学式遅刻するわよ!」

「はぁい」


母親に急かされ、家を出る。
地元の中学校に進学したので、小学校から同じメンバーもいるけど、別の小学校から来る人もいるから知らない人もたくさんだ。

新しい友達、できるといいなぁ。


「大志くーん!おはようっ!」

「さっちゃん!おはよう!」

「おはよう、黄瀬くん」

「春日井さん、おはよう……」


さっちゃん、春日井さんともまた一緒だ。
二人ともセーラーの制服がよく似合っている。

学ランに着られてる僕とは違って、二人ともかわいいなぁ。


「中学でもよろしくね」

「こちらこそだよ!」

「よろしくね。特に咲玖の世話」

「あれ?まだお世話されちゃうの?」

「あははっ」