「父の浮気がわかったのは、クリスマスイヴだった。
家族でクリパする約束してたのに仕事で遅くなるって言われて…でも本当は、浮気相手と会ってたのよ……!!」
「……だから、クリスマスが嫌いなんだね」
「……っ、私は、絶対に誰とも恋なんてしない」
君をそんなに頑なにさせていた理由が、ようやくわかった。
「だって、いつか離れていくんだもの……!
裏切られるくらいなら、最初からしないほうがいいわよ……っ」
「僕は絶対に離れないよ」
「え……?」
彼女の目を見て、真っ直ぐに伝えたいと思った。
「僕は初めて会った時から、春日井さんのことがずっと好きです」
言うつもりなんかなかった。勝手に口が動いていたんだ。
春日井さんは驚いたように、涙でいっぱいになった目を見開く。
「この先も一生、春日井さんのことが好きだと思う」
「……そんなこと、急に言われても…困るわ」
「そうだよね、ごめんなさい。
でも、どうしても伝えたくて。僕は絶対に離れていかない。
ずっとそばにいるよ」
「……っ」
もう確信していた。
これは一生に一度の恋だ。
ずっと君のそばにいたい。
一人で傷付く君を、僕が支えたい。
君のことを守りたい。
「……ごめんなさい、黄瀬くんのことは友達として好きだけど、そういう風には見れない」
「…うん、わかってる。
ただ、僕の気持ちを知って欲しかっただけなんだ。
こっちこそ急にごめんね」



