まさかのライバル登場疑惑に、内心で焦りまくっていた。

まだわからないけど、もし常盤くんも春日井さんが好きだとしたら、相当手強いライバルじゃないか……!!
僕みたいな地味メガネと違って、イケメンの人気者なんて!

しかも春日井さんと同じ学級委員で、好印象を持たれてるみたいだし……!!

気持ちには誰にも負けないつもりだけど、クラスが離れた途端にライバル登場疑惑はキツいな……。


「かっ、春日井さん!」

「何?」

「クラスは離れちゃったけど、たまには一緒に帰ろうよ!三人で!」

「あっ、いいね!わたしもそうしたい!」

「いいわよ」

「「やったー!」」


少しでも春日井さんと一緒にいる時間が欲しくて、そんな提案をしてしまった。


「じゃあ、帰れる時は言うわね」

「ありがとう!」

「それじゃあ、また明日」

「また明日」

「またねー!」


春日井さんの背中を見送りながら、決意した。
今年は春日井さんとの距離が、もう少し近くなるように頑張りたい。

せめて下の名前で呼べるように、僕のことも下の名前で呼んでもらえるように、頑張りたいな――…。

すごく細やかかもしれないけど、一歩ずつでも君に近づきたい。
そしていつか、この想いを伝えさせてね。