「常盤くんって、もしかしてサッカー部の?」
「そうよ。知ってるの?」
「一方的に、だけど」
常盤朝陽くんはサッカー部でイケメンで、蒼永くんと二分して人気のある子だ。
運動会でも目立っていたし、女子が結構話していたので何となく顔と名前は知ってる。
蒼永くんはさっちゃん以外の女子には塩対応…とゆうかクールだけど、常盤くんは柔和で女子に対しても優しい。
タイプの違うイケメンということで、どっちがカッコイイか女子たちが話してるの、たまたま聞いちゃったんだよね。
「…てゆう程度だよ」
「ふーん、そんなにモテる子なのね。まあ、確かにわかるわ。
私が推薦されてるの見て、自ら立候補したんだもの」
「えっ、そうなの!?」
「多分私が勝手に推薦されたの見て、気の毒に思ってくれたんじゃないかしら」
「優しい子だねー」
……いや、僕はそう思わない。
常盤くんは、推薦されたのが春日井さんだったから、立候補したのでは……?
もしかして、常盤くんも春日井さんに気があったりするんじゃ……?
「どうしたの黄瀬くん?急に黙り込んで」
「…なんでもないよ」
全然有り得る話じゃないか。
だって春日井さん、ものすごくかわいいし…!!
大人びてるから敬遠されがちだけど、春日井さんは相当の美少女だ。
さっちゃんとはまたタイプの違う美少女で…気になる男子がいても何もおかしくない。



