どうしよう、一回家に戻った方がいい?
でもすぐに電車が動くかもしれないし…、下手に動くより待った方がいいのかな……。
途方に暮れてどうするべきなのか決めあぐねていたら、突然肩を叩かれた。
「大志、こんなところでどうした?」
「兄さんっ!!」
正に救世主が現れたとばかりに、僕は兄さんに縋りつく。
「助けて兄さん!!」
「え?」
僕は兄さんに訳を話し、車を出してもらうことになった。
兄さんは車を運転しながら、横目で画面がバキバキになった僕のスマホをチラ見する。
「災難だったな、スマホまで壊れて」
「お母さんに怒られるかも…」
「まあ人助けしたんだから怒られることはないよ。
それにしても、大志にも彼女ができたか〜」
「…うん」
もちろん、彼女がいることはバレてしまった。
「どんな子?」
「すごく…かわいい子」
「アオハルだね。いや〜、でもちょっと寂しいなぁ。
もう俺とは遊んでくれないのか〜」
「そんなことないよ。スノボ行くの楽しみにしてるよ」
冬休みは毎年兄さんにスノボに連れて行ってもらうことになっていて、今年も行く予定になってる。
最近はだいぶ滑れるようになってきたから、すごく楽しみなんだ。
「彼女も誘ってもいいよ」
「え?」



