確かに大志の髪には寝癖がピョンと跳ねている。
くるくるしてる大志は久々で、かわいくてちょっとキュンとした。
「後で寝癖直してあげる」
「本当?」
私もたまに寝癖直さないまま登校したりするから、ヘアクリームとかは持ち歩いてる。
「寝癖頭もかわいいけどね」
「そうかなぁ…」
「おお…!」
なんか咲玖がやたらキラキラした目で私たちを見てる。
「今の会話、カップルっぽかった!」
「…そう?」
「そうかな」
最近咲玖は私たちの会話を聞いて、カップルっぽいとやたら興奮してる。
なんかよくわからないけど、嬉しそうなのよね…。
「ところで二人とも何の話してたの?」
「秘密!」
「秘密かぁ」
「……。」
「どうしたの桃ちゃん?」
「いや、大志と咲玖が喋るとマイナスイオンが出るなと思っただけよ」
「「マイナスイオン??」」
二人ともきょとんとしながらハモる。
小学生の時から思ってたけど、この二人が話してるとなんか毒気が抜かれるのよ。
だから一緒にいてとても安心できるし、気楽でいいのよね。
そこで先生が来て、今朝のホームルームが始まる。
ホームルームを聞きながら、ぼんやりと思った。
…大志はクリスマス、どうするのかしら。
家族と過ごす予定があるならそれでもいい。
でも誘ってくれるなら…、もちろん一緒に過ごしたい。



