そんなわけで、クリスマスイヴに蒼永くんのお家へお邪魔した。
とにかく大きな日本家屋でびっくりした。
飾られているクリスマスツリーもとても大きい。
「いらっしゃい!桃乃ちゃんと…」
「はじめましてっ、黄瀬大志といいます。今日はお邪魔します…!」
「大志くんね!まあ、なんてお行儀の良い子」
蒼永くんのお母さんはとても若々しくて綺麗な人だった。
蒼永くんと違ってよく笑う人だけど、どことなく蒼永くんとよく似てる。
「今日はよろしくお願いします。これ、うちの母からです」
丁寧な口調でお土産を渡す春日井さん。
それに倣い、僕もお土産を出した。
「僕もこれ…!良かったらどうぞ!」
「まあまあ、お気遣いありがとう。ゆっくりしていってね」
広いお庭がある廊下を通り、居間に案内される。
クリスマスの飾り付けが施された居間で、蒼永くんとさっちゃんは待っていた。
「あっ!いらっしゃい!」
「こんにちは」
「咲玖の家じゃないでしょうに」
「将来は咲玖の家だよ」
それがサラッと言える蒼永くんはすごいなぁ。
「じゃーん!ケーキだよ!お菓子もいっぱいあるよ!」
…そしてスルーしちゃうさっちゃんもすごい。
頑張って蒼永くん!心の中でエールを送る。
「あ、僕もお菓子持ってきたんだ。みんな、チョコブラウニー好き?」
「好き〜!!」
「よかった。手作りなんだけど、よかったら食べてね」
タッパーに入れたチョコブラウニーを見せると、三人ともすごく驚いて僕を見る。



