「ねぇねぇ!クリスマスパーティーしようよ!」


もうすぐ冬休みに入ろうという時、さっちゃんが提案した。


「クリスマスパーティー?」

「そう!蒼永ん家で!」

「いいよ」


さっちゃんが言うならなんでもやる蒼永くんは、あっさり了承した。


「大志くんは?」

「僕も行っていいの?」

「もちろんだよ!」

「それなら…お邪魔しようかな」


友達とクリパなんて初めてだ……。


「ねぇ、桃ちゃんも…」

「私はいいわ」

「え?」

「私、クリスマスって嫌いなの」


キッパリと言い切ったその言葉に、強い主張を感じた。


「クリスマスきらいな子どもっているの!?」

「いるのよ、ここに」

「そっかぁ…」


さっちゃんはとても残念そうにした。
明らかにしょぼんとしている。


「桃ちゃんは、クリスマスきらいなんだ…桃ちゃんも一緒なら楽しいけど、仕方ないよね…」

「〜っ、わかったわよ!行くわ!」

「ほんとに!?やったぁ〜!!」


最近わかったことは、春日井さんはさっちゃんには優しいこと。
蒼永くんのほうがもっとわかりやすいけど、二人ともさっちゃんにはすごく甘い。


「…さっちゃんって、すごいよね」

「え?何が?」


本人に自覚がないところが一番すごい。