「……んでよ、」


蜜柑ちゃん……?


「蜜柑の方が先に大ちゃんのこと好きだったのに、なんでなのっ!?」


そう叫んだかと思えば、蜜柑ちゃんは立ち上がってワックを飛び出した。


「蜜柑ちゃん!!」

「大志、早く行って!!
蜜柑ちゃんの荷物持って追いかけるわ!」

「う、うん、わかった!」


桃の言葉に甘えて、急いで蜜柑ちゃんを追いかける。
同時にスマホを鳴らすけど、出てくれない。
ストラップを提げていたから持ってはいると思うんだけど。


「蜜柑ちゃーーん!!どこ!?」


フリマ会場まで戻って探し回るけど、蜜柑ちゃんの姿はない。
どうしよう……。

蜜柑ちゃんの気持ち、ちゃんと考えられてなかった……。


「大志!!蜜柑ちゃんは!?」


蜜柑ちゃんのバッグを持ってきてくれた桃が追いついた。


「どこにもいなくて…」

「どこに行ったのかしら…」

「あまり遠くには行ってないと思うんだけど…」

「あっ大志!あそこ!!」


桃が指差した先を見ると、大きな木の近くで小学生くらいの女の子が集まっていた。
その中にいる一際目立つ背の高い女の子、蜜柑ちゃんだ。


「蜜柑ちゃん!!」


すぐに駆け寄ろうとすると、桃が「待って!」と制した。


「なんだか様子がおかしくない?」

「え?」