やっぱり気のせいかな?それならいいけど。


「ねぇ大ちゃん」

「ん?」

「なんでそんなにイメチェンしたの?」


えっ……。


「大ちゃんはメガネやめたら絶対カッコいい!ってずっと言ってたのに、全然変える気なかったじゃない。
どうして?」

「それは…」


桃の前で言うの…?


「ええっと…」

「ねぇ、なんで?」


桃も黙ってじーっと僕を見ている。
本人の前で改めて言うの、すごく恥ずかしいな……。


「…桃に、相応しい男になりたくて。
見た目を変えたら、少しは自信を持てるのかなって……」

「大志は前からずっとカッコいいわよ」

「えっ!?」


思いがけない言葉に驚き、思わず桃の顔を見た。


「どこが!?我ながら全く冴えなかったと思うけど!」

「大志はいつも中身がイケメンじゃない。見た目なんて関係ないわ」


…っ、桃……。

胸の奥がキュッとする。


「もちろん今の方がずっとカッコいいと思うけど、見た目だけじゃない。
私は大志だから好きになったの」

「ありがとう…」


思わず少し泣きそうになってしまった。
ずっと自分に自信がなかったけど、君がそう言ってくれるなら、こんな自分でも価値があると思えてくる。

でもね、僕の方こそ君という女の子に惚れ込んでいるんだよ。