一緒に連れて行ってくれたお礼として、おばさんからお小遣いをいただいた。
せっかくだしこのお小遣いでおいしいものを食べたいな。


「何食べる?この近くにワックがあるけど」

「ワック!」

「あ、ごめん、モデルさんはカロリーとか気にするよね。ハンバーガーはやめた方がいいかな?」

「あ、えっと…でも、」


何やら言いにくそうな蜜柑ちゃん。
見かねた桃がこう言った。


「たまにはいいんじゃないかしら?
せっかくだもの、たまにはジャンクなものを食べても大丈夫よ」

「そうかな」

「蜜柑、ワック行きたい!」

「じゃあそうしよう」


僕たちはワックに向かった。
席を確保して各々好きなハンバーガーセットを注文する。
桃の分も払おうとしたけど、断られてしまった。


「おばさんは大志と蜜柑ちゃんのためにお小遣いをくださったんだから、私は自分で払うわ」

「でも…」

「いいから」


こういう時の桃は頑固なので、大人しく引き下がる。
桃のこういうしっかりしてるところは、昔から変わらずで好きだなぁと思う。


「はい蜜柑ちゃん、チーズバーガーのセットだよ」

「ありがとう…」


なんか蜜柑ちゃん、ちょっと元気がないような気がするけど、気のせいかな?


「蜜柑ちゃん、大丈夫?疲れちゃった?」

「そんなことないよ」