地味系男子が本気を出したら。



ほっ…、ひとまず気に入ってもらえてよかった。
モデルもしててこだわり強そうな蜜柑ちゃんなので、ちょっと緊張しちゃったよ。


「じゃあこれ、蜜柑ちゃんにプレゼントするね」

「いいの〜!?大ちゃん大好き!!」


嬉しそうにぎゅーっと抱きつく蜜柑ちゃん。
桃の前でこういうのはちょっと困るんだけど…。

その時、ふとあるものが目に入った。
ビジューで作られたピンクのお花のヘアピンだった。
小さいけれどキラキラしていてかわいくて、さりげなく魅力を引き立ててくれるような。

僕はそのヘアピンを手に取り、桃に渡した。


「これ、桃に似合うと思う」

「え?そうかしら?」

「うん、絶対似合う」


見た瞬間、ビビッときた。
大袈裟だけど、これは桃のためにあるようなヘアピンだって!


「これ、プレゼントしてもいい?」

「えっ!?私に?」

「すみません、これもお願いします」

「ちょっと!」


桃の返事を待たずにお会計した。
その場で渡して、桃は戸惑いながらもヘアピンを付けてくれた。


「ど、どうかしら…?」

「やっぱり似合う!すごくかわいいよ!」


シンプルだけどビジューでキラキラしているから、地味さがない。
かと言って派手すぎないし、さりげなくかわいくて桃の雰囲気にもピッタリだ。


「ありがとう…」