桃には本当に申し訳ないな……。
次のデートは絶対に楽しんでもらえるように頑張らないと。
まあでも、これで蜜柑ちゃんの気が済むのなら、それでもいいのかな……。
なんて思っていたわけだけど、自分の考えが甘いことに全く気づいていなかった。
もちろん、蜜柑ちゃんの思惑なんて知る由もなかったんだ。
「…今日一日で蜜柑の方が好きって思ってもらえたら、大ちゃんは蜜柑の彼氏になってくれるよね?
負けないもん♪」
* * *
フリマ当日はハロウィンということもあり、ハロウィンに因んだイベントも開催している。
ジャックオランタンのカードが出ているスペースでは、「トリックオアトリート」と言うとお菓子がもらえるんだって。
仮装してる人も多くて見てるだけでも、とても楽しい。
「見て見て大ちゃん!このアクセサリーかわいいよ!」
まず蜜柑ちゃんが気になったのは、ハンドメイドのアクセサリー屋さん。
ネックレス、指輪、イヤリング、ヘアアクセなど全部手作りだ。
「ほんとだ、かわいいね」
「ええ、どれも素敵だわ」
「大ちゃん、蜜柑に似合うやつ選んでほしいな!」
「えっ!?僕が選ぶの?」
「うん!お願い!」
えぇ〜…すごくセンスを問われてる気がする。
もしかして試されてるのかな?
すごく悩んだ結果、ピンクのチューリップのヘアゴムを選んだ。
「これとか…どうかな?」
「かわいい!!これほしい!」



