* * *


「まさか、夕飯までご馳走になるなんて…すごく美味しかったよ。ありがとう」

「いいえ、こんな時間まで引き止めてごめんね。
お母さん、大志のこと気に入ったみたい」

「本当に?それならよかった…もうずっと緊張してたんだ」


大志はハァーーっと大きく息を吐く。

…すごく頑張ってくれたのね。


「大志、ありがとう」

「え?」

「私も大志のこと、大切にするわ」

「…!」


真っ赤になった大志を見て、クスッと微笑む。
ちょっとだけ、優越感を感じる。

いつも押されてばかりじゃ悔しいもの。
たまには私が照れさせたい。


「桃!」

「?」


――ちゅっ。



「っ!?」

「お、おやすみっ」