「別に変わらずよ。しょっちゅう彼氏ん家に泊まりに行ってるからあんまり会わないし。
大学生になってから外泊増えたのよね」

「そうなんだ」

「でも、この前20歳の誕生日迎えて、母と話してるの聞いちゃったの。
お母さん、産んでくれてありがとう…って。母は泣いてたわ」

「素敵だね」

「相変わらずだけど、私の知らないお姉ちゃんもいるのかもしれないって、その時思ったわ」


そう言った桃の表情はとても穏やかだった。


「大志が前に、姉は努力家だって言ってくれたことあったでしょ?」

「うん」

「最近になって、私もそう思えるようになってきたの。
毎日美容に気を使ってたり、SNSもマメに更新してたり。ただ自慢したいだけだと思ってたんだけど、うちの姉、結構有名なインフルエンサーだったのよ」


お姉さんのインステアカウントを見せてもらって、びっくりした。

フォロワー何万人!?
めちゃくちゃすごいな…!


「トックティックのフォロワーもすごいのよ」

「お姉さんすごいね…!」

「フォロワー何万人なんて、努力してないといかない数字でしょ」

「そうだね、努力してないと無理だと思う!」

「あざとさも、お姉ちゃんなりの努力なのかもしれないわね」