とりあえず手前にあった黄色いヨーヨーをGET。


「取れた」

「早い!ちょっ、もう切れたわ!」

「何色が欲しいの?」

「この透明なやつ」

「OK」


お目当ての透明なヨーヨーと、隣にあった水色のヨーヨーも一緒にGETした。


「2個取り!?」

「やるねぇ、イケメンの兄ちゃん」


屋台のおじさんも感心したように言った。


「はい」

「ありがとう」

「この水色はさっちゃんにあげよう」

「すごいわね」

「地味な特技だけどね。射的とか得意だったらカッコよかったんだけど」

「そんなことない、十分カッコいいわよ」


そう言ってから、ハッとした桃は急に慌てたように頬を染める。


「べっ別に深い意味はないからね!」

「わかってるよ」


…わかってるけど、すごく嬉しいな。

地味な特技でも持っててよかった。
今日はかわいい桃がたくさん見られて、すごく幸せだ。


* * *


花火を見るにあたり、屋台通りから離れた高台に来ていた。
まばらに人はいるけど、多くはメインの観覧スペースに人が集まっているので少ない。

立って見ることになるけど、人が多いところよりはマシということでここから見ることに。
下手に知り合いに会うのも嫌だしね。

しばらくして、夜空に花火が打ち上がった。